たんぱく質の補給に役立つプロテイン。中でも一般的によく使われているソイプロテインとホエイプロテインの違いについてまとめました。
原料
ホエイプロテインは生乳を原料として生成される動物性タンパク質のひとつです。「ホエイ」とは、ヨーグルトの上澄みに浮いている液体「乳清」のことです。
一方、ソイプロテインは大豆を原料として生成される植物性タンパク質です。
消化吸収速度
ホエイプロテインとソイプロテインの吸収速度を比べると、ホエイプロテインの方が吸収が速く、ソイプロテインの方がゆっくり吸収されるので腹持ちが良いといわれています。
運動直後に速やかにプロテインを補給したい場合はホエイの方が即効性があると考えられます。
一方、ダイエット中でなるべく長い時間お腹の満足感が欲しいときはソイプロテインの方が良いのかもしれません。
含有成分について
ソイプロテインとホエイプロテインは、ともにアミノ酸スコア(必須アミノ酸のバランスが不足なくそろっているかどうかの指標)が75以上と高くなっていて、どちらも良いたんぱく源となります。
それぞれの含有成分の違いは以下の通り。
ソイプロテイン・・
ソイプロテインはホエイプロテインに比べて、脂質の含有率が低いという特徴があります。また、女性ホルモンのような働きをする「大豆イソフラボン」も含まれます。
大豆イソフラボンには、美肌や髪の毛の健康に役立つ効果が期待できるといわれてます。
大量に摂りすぎると甲状腺機能障害を引き起こす場合もあるといわれていますが、極端に摂りすぎなければそれほど心配する必要もないと思われます。
ホエイプロテイン・・
ホエイプロテインには、BCAAの中でも特に筋肉の合成のために重要とされるロイシンが豊富に含まれていて、生体内での利用効率が高いといわれています。
尚、ホエイプロテインには「WPC」と「WPI」という種類があります。
日本人はカゼインやホエイプロテインに含まれる「乳糖」を上手く消化吸収できない乳糖不耐症が多く、「WPI」はこの乳糖を完全に除去したホエイプロテインです。一方、WPC(通常のホエイプロテイン)にはこの乳糖が含まれています。WPCを飲むとお腹がゴロゴロするという人はWPIを試してみると良いでしょう。(WPIはWPCに比べて製造に手間がかかるので高価です)
ちなみにソイプロテインは乳糖を含まないので乳糖が苦手な人でもOKです。
筋たんぱく合成効果が高いのはどっち?!
ソイプロテインとホエイプロテインの筋たんぱくの合成効率を比べると、
ホエイの方がソイプロテインよりも18%高く、トレーニング後に摂取した場合ではホエイの方が31%高かったという研究データがあります。
従って、効果的に体たんぱくを増やしたい場合はホエイプロテインの方がおすすめということになります。
まとめ
・ソイプロテインは、大豆イソフラボンを摂りたい人や脂質の量を抑えたい人、腹持ちの良い栄養補給をしたい人、乳糖不耐症だけど高価なWPIは買いたくない、という人におすすめ。
・ホエイプロテインの方がソイプロテインよりも吸収が速い
・ホエイプロテインの方が体たんぱくを増やすのに効果的。
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