体内でビタミンCを作ることができない私たち人間にとって、ビタミンCを食事から摂取することは欠かせません。ビタミンCの必要量を増大させる要因はたくさんあり、体調や状況に合わせてビタミンCを意識的にたくさん摂ることで健康増進に役立つということがわかっています。それでは、どんな時にビタミンCをたくさん摂った方が良いのでしょうか。
こんな時は特に、身体がビタミンCをたくさん必要としている
①ストレスが大きい時・疲れているとき
ビタミンCはストレス時にたくさん消耗されます。なぜなら、ストレスに対応するために分泌されるホルモンを作るためにビタミンCが大量に必要とされるからです。(詳しくはこちら)
ある動物実験によると、ストレスのない時とある時ではビタミンCの消費量が3~8倍にもなるという結果がでているそうです。
また、ストレスが多い時には細胞が活性酸素の害を受けやすく、体内の抗酸化力も低下しています。そのような時には、抗酸化ビタミンとしても働くビタミンCが役立ちます。体内の細胞の酸化ストレス状態や、身体の抗酸化力は、血液検査の「間接ビリルビン」や「尿酸値」などからも推測することができますので、健康診断等の結果が手元にある方はぜひチェックしてみてください。
さらに、ビタミンCは脂肪酸を燃やしてエネルギーを発生させるためにも欠かせないので、ビタミンCが不足するとエネルギーを作りにくくなり、疲れやすくなってしまいます。
疲れているときや、精神的または肉体的にストレスを感じているときは特に、ビタミンCを積極的に摂るようにしましょう。
②飲酒する人
ビタミンCは血液中のアルコールの排泄促進のためにも働きます。また、肝臓のアルコール代謝を助け、肝臓をサポートしてくれる働きもあります。つまり、アルコールをたくさん飲むと、それだけビタミンCがたくさん使われることになります。そのため、お酒を呑む時にはビタミンCを多めに摂ると、悪酔いや二日酔いの予防効果が期待できます。
③汗をたくさんかくとき
激しい運動や労働によって大量の汗をかくと、その汗とともにビタミンCも失われていきます。もちろん、汗とともに重要なミネラル分も失われるので、補給がかかせません。
④病気の時
病気で身体が弱っているときも、ビタミンCがたくさん必要となります。例えば、ガン患者はビタミンCが著しく減るということがわかっています。ガンに限らず、病気で免疫力が弱っているときは、身体の自然治癒力を高めるためにビタミンCが有効であると考えられます。
⑤妊娠中・授乳中の女性
妊娠によって、必要エネルギーが増加し、当然ビタミンやミネラルの生理的な必要量も増えます。また、授乳を通して乳児に栄養素が移行しますので、妊娠中や授乳中はビタミンCに限らず、しっかりとビタミン・ミネラルを補給することが大切です。
⑥喫煙者
喫煙することによって、体内のビタミンCが消耗されますので、需要量も増えます。なぜなら、有害物質を解毒するためにもビタミンCが使われるからです。さらに、喫煙者は腸管におけるビタミンCの吸収も悪くなってしまうこともわかっています。
⑦高齢者
ビタミンCはアンチエイジングにも欠かせないということでもよく知られていますが、加齢に伴い、体内のビタミンCが減っていくことがわかっています。それは、老化に伴い食事量の減少や腸管からの吸収力の低下、各組織のビタミンC保持能力の低下などが起こるからです。特に、長期入院中の高齢者のビタミンC減少は顕著で、そのような高齢者にビタミンCをしっかり摂らせるとアルブミン(血液中のたんぱく質)が増え、体重の増加、皮膚の内出血の減少が見られ、身体の状態が改善されてくるというデータもあるようです。
⑧薬を常用する人
ビタミンCには有害物質を解毒する作用がありますが、これは薬でも同じで、科学的に合成された薬が身体に入ってくると、身体はそれを体外に排泄しようとするメカニズムが働き、ビタミンCが消耗されます。実際、長期間にわたって薬を服用している人は、薬の種類によっても程度は異なりますが身体のビタミンCが減少するということが分かっています。ちなみに、アメリカでは、薬を常用する人はビタミンCも一緒に摂るのが常識なのだそうです。
このように、生活の様々な場面でビタミンCは必要とされています。ビタミンCを十分摂ることはとても大切なことですが、もちろん、ビタミンCが健康のすべてありません。食事の基本となる三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)に加え、不足しがちなビタミンミネラルや食物繊維を食事からしっかりと摂った上で、ビタミンCを積極的に摂ることを心がけたいですね。
ビタミンCサプリの上手な摂り方もぜひ参考にしてみてください。
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