血液検査の「γ‐GTP」(ガンマジーティーピー)について解説します。
「γ―GTP」とは?
γ―GTPは、「グルタミルトランスペプチターゼ」という酵素。
たんぱく質の合成に関わる酵素で、腎臓・膵臓・小腸・肝臓などに多く存在します。肝臓では、解毒作用に必要なグルタチオンの生成にも関わっており、アルコールの飲みすぎによって肝臓が弱っているときに値が上昇してくる項目として有名ですよね。また、胆汁のうっ滞などがあると、胆道系酵素のALPやLAPとともに高値を示します。
だいたい20~25ぐらいが理想的な値と言われていますが、食が細く尿素窒素なども低かったりする場合、γ‐GPTももっと低い値になる傾向が見られます。
γ‐GTPが高値の場合
γ―GTPは肝臓や胆管に病気がある場合、ALPなど他の胆道系酵素よりも早く異常値を示すため、肝臓や胆道系の病気のスクリーニングとして利用されます。
飲酒の量はγ‐GTPとTG(トリグリセリド)の値と相関する傾向にありますが、γ‐GTPの飲酒に対する反応は個人差があると言われています。
ちなみに、アセトアルデヒド脱水素酵素が多い人は、飲酒によってγ‐GTPはそれほど上昇せずTGが上昇する傾向にあるようです。
また、高たんぱく食、脱水、たんぱく質異化亢進状態でも上昇することがあります。さらに、抗てんかん剤や、降圧剤を飲んでいる場合も、降圧剤の種類によっては高値になります。
γ‐GTPが低値の場合
γ‐GTPは、栄養学的にはたんぱく質代謝を見る上で重要な項目の一つとなります。なぜなら、γ-GTPはタンパク合成をするときに誘導されて出てくる酵素だからです。
従って、γ‐GTP低値はたんぱく質合成能低下や酵素活性低下の可能性が考えられます。簡単に言うと、身体の中でたんぱく質が足りていないということですね。
総蛋白が低く、γ‐GTPも低くて、その上尿素窒素も低いという人は、たんぱく質の摂取が少ないか、栄養素の吸収に問題があると考えて間違いないでしょう。γ-GTPが10台前半または一桁だったりする場合は要注意です。
尚、通常は、γ‐GTPはBUN(尿素窒素)は同じぐらいの値となることが普通なのですが、例えばBUNは低いのにγ‐GTPが高かったりする場合は、肝臓や胆道の不調など何らかの原因が影響していると考えられます。