ビタミンDの働きとは??
ビタミンDはかなり重要な栄養素の一つです。
昔は「くる病の予防に役立つ」以外は、あまり知られていませんでしたが、今ではたくさんの働きがあることが一般的にも知られています。
ビタミンDの働きについて、ざっとまとめると以下の通りです。
★骨を丈夫に保つ
ビタミンDは骨の代謝に深くかかわる栄養素です。
ビタミンDが欠乏すると、乳幼児のくる病や成人の骨軟化症を発症しますし、骨粗しょう症にも大きく影響します。
★免疫機能を高める
ビタミンDには、体内の免疫の司令塔となる「マクロファージ」を活性化させてくれる働きもあります。 ビタミンDが不足していると、自己免疫疾患や花粉症、乳がんや大腸がんなどにもかかりやすくなってしまうことがわかっています。
最近では、コロナの発症やコロナ後遺症とビタミンDの関連も指摘されています。
★インスリン抵抗性を防ぐ
ビタミンD不足だとインスリンの効きが悪くなり、糖尿病などのリスクも高まります。
★脳機能を保つ
ビタミンDは脳のシナプスの維持と生成に不可欠。
脳機能を正常に保ち、認知症などの脳機能低下を防ぐためにも欠かせません。
★抗炎症
ビタミンD不足は炎症体質を引き起こします。
ビタミンDは日光浴でも作られる
ビタミンDは食事から摂取するだけでなく、皮膚に紫外線が当たることで身体の中でも作られます。
ですが、日光に当たる機会の少ない冬場や、緯度の高い地域に住んでいる人などは圧倒的にビタミンDが不足しているケースがほとんどです。
日焼け止めをいつもばっちり塗っているという人も、美肌の観点からすると理想的ですが、ビタミンD不足になっている可能性が高いです。
ビタミンDの血中濃度を調べる
ビタミンDが足りているかどうかを調べるためには、「ビタミンDの血中濃度(25OHD)」を調べることが有効です。
(ちなみに、ビタミンAはビタミンDと同じ脂溶性ビタミンですが、そのほとんどが肝臓に蓄えられるという性質があるので、よほど枯渇しない限り血中濃度に大きな変化は見られません)
ビタミンDが最低限足りているかどうかどうかの指標は、少なくとも20ng/ml以上を保っておくことが必須です。
もしも20以下の場合は「くる病」のリスクが高まるため要注意。今すぐビタミンD補給が必要ということになります。
といっても、20代では相当ギリギリの状態ですので、少なくとも30ぐらいは欲しい所です。
また、乳がん、大腸がん、糖尿病といった病気の予防といった観点では、40~60ng/mgを目指す必要があります。
ビタミンDサプリメント摂取量の目安
アメリカの栄養療法学会によると、ビタミンDの最適量(OptimalDose=ほとんどの人が最適な血中レベルを確保するのに十分な量)は1000~4000IU/日としています。
目的別の目安は、心臓病のリスクを減少させたい場合は1000IU~、がんを予防したい場合は2000IU~が良いとされます。
日本の栄養療法の医師によると、一日に2000IU以上を摂るのがおすすめといわれます。
このぐらいの量であれば、過剰症の心配もほぼないと言えるでしょう。
ただし、大量のビタミンDを摂取してしまうと、高カルシウム血症によって腎不全を起こすことがありまる。
例えば、一日に5000IU以上飲むような場合は、必ず医師の管理の元で、血中濃度を確認しながら摂取することがすすめられます。
そこまでたくさん摂る場合ではなくとも、定期的に25OHDの濃度をチェックしてもらうと良いでしょう。
尚、ビタミンDの血中濃度が上がった時に、マグネシウムが不足になっている人はカルシウムやリンといったミネラルバランスを崩しやすくなるという性質があります。
(特にカルシウム代謝異常がある場合は要注意)
マグネシウムもビタミンDと同様不足しやすい栄養素の一つです。
ビタミンDをサプリで摂る場合は、マグネシウムも意識的に摂取することをおすすめします。
ビタミンDを効果的に摂るための重要ポイント
ビタミンDは脂溶性ビタミンです。
ビタミンDに限らず、ビタミンA・E・K・コエンザイムQ10といった脂溶性の栄養素を吸収するためには、胆汁酸の分泌が大事です。
胆汁酸が少ないと、脂溶性栄養素の栄養素の吸収率は著しく少なくなってしまいます。
胆汁酸は脂質を摂ることで分泌されますので、ビタミンDサプリは必ず脂質を含む食事の後に飲むようにしましょう。
「ビタミンDを摂っても血中濃度が全然上がってこない」という人もいます。
このような人は、胆汁酸が充分に分泌されていないせいで、脂溶性ビタミンの吸収が悪くなってしまっている可能性が高いです。
その場合は胆汁酸を補う工夫をするか、ビタミンDクリームを肌に塗って経皮吸収させる方法もあります。