関節炎の対処法について、栄養療法の視点から解説しています。
関節炎とナイアシンアミド(ビタミンB3)
1940年代、ウィリアムカウフマン医師によると、自らの臨床経験からみたナイアシン(ビタミンB3)の欠乏によるペラグラの症状について、詳しく述べています。
その症状とは、皮膚炎・胃腸障害・早期老化・免疫力低下・神経症状・そして、関節炎が挙げられています。
潜在性のナイアシン欠乏により筋力低下や関節可動性の低下・骨膜および骨の圧痛といった症状が出る可能性があり、ナイアシン欠乏に苦しむ患者では関節炎が起きやすいとしています。
カウフマン医師の研究によると、関節炎疾患の大多数が食事から摂れるよりはるかに多くのナイアシンの需要が多いということでした。
その後も多くのオーソモレキュラー医師は、関節炎を治すためでなく他の症状の治療のためにナイアシンを使ったところ、患者の関節炎症状も治ってしまうという症例を目の当たりにしたという事例が多く報告されています。
ちなみに、統合失調症の人も通常よりも多くのナイアシンを身体が必要としていることがわかっていますが、体質的に炎症が起こりにくく関節炎になりにくいということも知られています。(詳しくはこちら)
関節炎に有効なビタミン
もちろん、ナイアシン不足だけが関節炎の原因ではないし、ナイアシンが関節炎に有効な唯一のビタミンというわけではありません。
栄養療法的には、加工食品やジャンクフード、その他にも炎症を誘発しやすい食材を極力避けることと、サプリメントとしてナイアシン・ビタミンC・亜鉛・ピリドキシン(ビタミンB6)・ビタミンAとD3などが有効であると言われています。
ナス科植物と関節炎
関節炎患者の10%程度では、ナス科植物が関節炎の原因となっていることがあるということもわかっています。その場合は一定期間ナス科の植物の摂取を避けることで症状は大幅に改善されます。
ナス科植物というと、ナスだけでなくピーマンやパプリカ、唐辛子、トマト、ジャガイモなどが挙げられます。
ナス科の植物には「レクチン」と呼ばれるたんぱく質が多く含まれており、人によってはこのレクチンが「食物不耐症」(食品過敏症)による不調を引き起こしやすいことが知られています。
原因不明の慢性的な関節の痛みに悩む方はぜひ、このような栄養療法の視点からのアプローチも検討してみてください。