このページでは、血液データを読む手順をまとめています。
①まずは、総蛋白やアルブミン、A/G比などからたんぱく質の状態を見ます。
②次に、尿素窒素、コレステロール値などからもたんぱく質の指標として見ていきます。
③さらに、酵素群(AST、ALT、γ-GTP、ALP、LDH、コリンエステラーゼ、血清アミラーゼなど)からもたんぱく質の状態を推測していきます。
④酵素群からはたんぱく質の状態だけでなく、様々な情報を得ることができます。ASTとALTの数値のバランスからは、ビタミンB群の不足や肝機能の状態を推測することができます。ALPは亜鉛・Mg不足、LDHはナイアシン不足の指標となります。
⑤次に、血糖調節の状態を見ていきます。血糖値やヘモグロビンA1c、インスリン値などをチェックしましょう。
⑥鉄欠乏、鉄貧血の状態も見ます。ヘモグロビン値、血清鉄、フェリチン、MCV、MCH、MCHCなどをチェックしましょう。
⑦亜鉛と銅のバランスも重要ですのでデータがある場合はチェックしましょう。(その他のミネラルについて→ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、リンなどといったミネラルは、ホメオスタシスが働いているため基準値から大きくはみ出すことはめったにありません。もしも大きくはみ出しているような場合は、重度の疾患があることが考えられます。)
⑧消化力の状態を見ていきます。ペプシノーゲンⅠとⅡの比を見てから、ペプシノーゲンⅠの値を見ます。
⑨炎症の指標として、フェリチンや白血球数、CRP定量もチェックしましょう。また、AST<ALT、尿素窒素<γGTPの場合は肝臓の炎症(脂肪肝)が疑われます。
⑩白血球像(好中球・リンパ球)から自律神経のバランスをチェックします。
⑪間接ビリルビンなどから酸化ストレスの有無をチェックします。
⑫尿酸値から抗酸化力や尿酸の消耗度合いを推測します。