「デトックス」(解毒)の仕組みと対策について解説します。
落ちにくいお腹周りの脂肪は、「マイコトキシン」(カビ毒)が原因かも?!
身体の中に入りやすい毒素の代表格の一つと言えるのが、カビの毒です。
カビは体内に入るとコロニーをつくって増殖し、「マイコトキシン」と呼ばれるカビ毒を出し続けます。
体内にたまったカビが吐き出す毒は、肝機能、腎機能、免疫機能に悪影響を与えたり、不眠や頻尿の原因となったり、アルツハイマー病やガン、自閉症、パーキンソン病にも関係していると言われています。
カビの厄介なところは、脂肪に溶け込んでカラダの中に貯めこまれてしまう性質があることです。
カビが脂肪内に多くたまると痩せにくくなったり、不定愁訴の原因にもなります。
脳も脂肪細胞のかたまりですので、脳機能にも当然影響がでてきます。
運動や食事でいくらダイエットをしても、脇腹や二の腕、お尻まわり、背中などに落ちにくい脂肪がある場合、脂肪にカビ毒がたくさん存在しているのかもしれません。
カビ毒の害の原因となるもの
カビはピーナッツやピスタチオ、アーモンド、トウモロコシ、ハト麦、ナツメグや唐辛子などのスパイス、輸入のドライフルーツ、豆類、穀物、コーヒー、パンなど、色々な食べ物に発生します。
マイコトキシン(カビ毒)は熱に強く、調理してもほとんどなくならなりません。
カビの生えた穀物を飼料として与えられた家畜は、食肉加工されてもマイコトキシンは死滅せず私たちの体内に入ってしまいます。
食べ物の中に含まれるカビ毒の害を少しでも軽減するために役立つ手っ取り早い方法があります。
それは、よーーーく噛んで食べる事です。
なぜよく噛むことがカビ毒対策につながるのかというと、
唾液に含まれる成分の中にはカビを死滅させる成分が含まれているからです。
食べ物をしっかりと咀嚼して、唾液をたくさん分泌させましょう。
もちろん、カビを含んだ食べ物は極力食べないに越したことはありません。
また、
カビの影響は食事だけでなく、家やオフィスに存在するカビの影響も非常に大きいです。
特に、高温多湿の日本はカビが増えやすい環境なので、カビ毒には注意が必要です。エアコンや車、カーテンの裏、水回りなど、キレイに掃除したつもりでもあっという間にカビは繁殖してしまいます。
体内のカビ毒を調べるには、アメリカの「グレイトプレインズラボラトリー」が行っている「マイコトキシン検査」というものがあります。こちらの検査は医療機関でキットを購入して自分で尿を採って、指定された専門機関に送るというシステムになっています。
重金属の毒
重金属の害も非常に重要な問題です。
重金属の中でも特に気を付けたいのが水銀です。
水銀は脳神経系や肺、腎臓といった、体中の組織に害を与えます。
水銀は脂溶性なので、身体の外に排せつされにくい性質があります。
動物の体内に取り込まれた水銀濃度は、この100年間で10倍に上昇しているといわれています。
なぜなら、世界の工業化が進む中で、
大量の水銀が大気中や海水に排出されているからです。
特に気をつけたいのが、水銀汚染された海に棲んでいる魚たち。
その中でも、食物連鎖の上位にいる大型魚にはたくさんの水銀が蓄積されやすくなります。
例えば、しらす干し100gとまぐろ100gの水銀量を比較すると、
しらすよりもまぐろの方が圧倒的に水銀が多くなります。
せっかく栄養価の高い食材の魚ですが、
水銀濃度の高い大型魚は食べる頻度を気をつける必要があります。
厚生労働省による「お魚について知っておいてほしいこと」
によると、妊娠中の魚の摂取量について書かれていますが、
妊婦さんに限らず、水銀濃度の高いマグロやメカジキといった大型魚を
食べるのは週1回程度にしておいた方が無難だと思われます。
尚、さんま、サバ、鯛、鮭といったそれほど大きくない魚に関しては、
気にせず食べても問題ないでしょう。
解毒のしくみ
体内の毒素となるものは、カビ毒(マイコトキシン)や重金属の他にも、揮発性溶剤、食品添加物など様々です。
そういったものはなるべく体内に入れないにこしたことはありませんが、
これらを全て避けて生きていくことは不可能ですよね。
そこで、体内に入ってしまった毒素はちゃんと解毒できるチカラをつけておくことが大事です。
解毒の仕組みは、①活性化 ②抱合 ③排せつ
の3段階に分かれます。
①活性化
血液中や消化管内にある毒素は容易に外へ排せつされますが、問題になるのは脂肪細胞に入っている脂溶性の毒素です。
脂溶性の毒素をカラダの外へ排せつするには、細胞内から細胞外へ毒素を出して、水溶性の形に変換する必要があります。
そのためにはまずは肝臓を活性化する必要があります。
腸の炎症によるリーキーガットがあると、肝臓へのダメージが大きくなり機能がおちて、毒素の活性化や抱合ができなくなってしまいます。
従って、デトックスの要となることは、まずは腸内環境を整えることであるといえます。
尚、解毒の第一段階となる「活性化」のチカラを左右するのは、遺伝的要因が大きいです。
人によって、どんな毒素が身体に溜まりやすいかが異なるのです。
自分がどんなタイプであるかはを知るためには、遺伝子検査をする方法があります。
遺伝子検査で「シトクロムP450」(CYP450)というグループの酵素活性を調べると、
どの毒素(排ガス、エストロゲン、抗うつ薬、ステロイドなど)がたまりやすいかを把握することができます。
②抱合
毒素の「抱合」とは、肝臓内で毒素を水溶性にして胆汁中⇒腸へ排せつできる形にすることです。
「抱合」に役立つ物質といえば、スルフォラファンやグルタチオン。
スルフォラファンは、ブロッコリースプラウトに豊富に含まれる成分です。
(グルタチオンについては後述します)
肝機能を活性化させてくれる
「ミルクシスル」もかなりおすすめです。
Life Extension, アドバンス オオアザミ、ソフトジェル60粒
ミルクシスルとは、キク科の「アザミ」の中の植物の種子から抽出した成分で、
ヨーロッパでは大昔から肝臓の薬として用いられていたことが知られています。
病院で処方されるウルソ(肝臓からの胆汁排せつを促進する薬)やタチオン(グルタチオンの薬)という薬もあります。
③排せつ
毒素は「活性化」と「抱合」によって水溶性になることで、
ようやくカラダの外へ排せつできるようになります。
毒素の排せつは主に便から行われます。
腸へ排せつされた毒素は、「腸肝循環」といって、何もしないでいると9割以上がまた腸から再吸収されてしまいます。
そこで、後述する「クロレラ」や活性炭、クレイなどのキレート剤(吸着剤)が効き目を発揮して
便の中に毒素を排せつするのを助けてくれます。
グルタチオンについて
グルタチオンは、グルタミン酸・システイン・グリシンという3つのアミノ酸が結合した物質で、解毒作用があります。
体内で作ることのできる重要な抗酸化物質としても知られています。
グルタチオンはメチレーション回路によって体内で作られますが、加齢とともに減少しやすいのと、体内に炎症がある時や、体内に入る毒素の量が多いと消耗しやすくなります。
サプリで補給するには、グルタチオンサプリを直接飲むか、
NAC(エヌアセチルシステイン。グルタチオンの前駆物質)の形のサプリもあります。
NOW Foods, グルタチオン、500mg、ベジカプセル
Country Life, NAC, N-アセチルシステイン, 750 mg,
グルタチオンサプリとNACサプリ(前駆体)の違いは、
グルタチオンの形で摂るよりも、前駆体のNACの形で摂った方が
体内濃度が安定しやすいと言われています。
グルタチオンをずっと使っていると効き目が低下してくることがあるので、
その場合はグルタチオンとNACを交互に使うことがすすめられます。
ただし、NACは胃腸障害を起こす人もいるのでそこは注意が必要です。
グルタチオンを豊富に含む食材といえば、アボカドとアスパラガス。
また、アブラナ科の野菜(キャベツ、大根、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト)や、
たまねぎ、ニンニク、パクチーといった香味野菜などには
解毒に役立つ「硫黄化合物」が豊富に含まれています。
解毒に役立つ香味野菜と言えば、ショウガもおすすめです。
ショウガに含まれる「ジンゲロール」という成分には、末梢血管を拡張する作用があります。血流が良くなると老廃物が回収されやすくなり、身体の解毒機能を高めてくれます。
クロレラのデトックス効果
「クロレラ」は淡水で生息する直径2~10ミクロンの単細胞の緑藻で、約20億年前の先カンブリア時代から存在していたといわれています。
クロレラは植物性たんぱく質を50~60%含有していて、9種類の必須アミノ酸が含まれています。
ビタミンやカロテン、ルティンなどの抗酸化物質や、「クロレラグロスファクター」と呼ばれる細胞の活性化に役立つクロレラ独自の生理活性物質も含むスーパーフードです。
その栄養価の高さから、アメリカのNASA(航空宇宙局)が宇宙食として検討したことでも話題になっていました。
そして、クロレラの健康効果と言えば、なんといってもデトックス効果です。
クロレラには毒素を吸着する働きがあるので、
腸の中にある毒素を便中に排せつするのに役立ってくれます。
おすすめのクロレラサプリ
デトックス効果が期待が期待せきるクロレラですが、クロレラサプリの品質にはメーカーによって差があるため、商品選びは大事です。
品質の良いクロレラと言えば、沖縄県の石垣島で収穫されたクロレラでつくった「八重山クロレラ」が有名です。
クロレラにプラスしてデトックス用の「クレイ」も飲むと、さらにデトックス効果がアップするといわれています。
Great Plains(グレートプレインズ)、ベントナイト(クレイ)
一日の量の目安は、
クロレラ10錠、クレイをスプーン大匙1杯(+グルタチオンかNAC)。
身体に毒素がたまっていたり、体質に合わない人はクロレラ1錠だけでも気持ち悪くなってしまうこともあるようなので、最初は少なめの量から始めることをおすすめします。
汗からのデトックスについて
外へ排せつされる毒素の割合は、便からが75%・尿20%・汗3%・爪1%・毛髪1%といわれています。
便からの割合が最も多いことから、デトックスのためには腸内環境を整えて便をしっかりと出すということが非常に重要だということがわかりますよね。
汗からの解毒の量は少ないものの、皮膚も重要な解毒器官の一つです。
なぜなら、農薬・香料・クリーニング溶剤といった有機溶剤は汗から排せつされるからです。
運動で汗を流したり、お風呂にゆっくり浸かったり、サウナや岩盤浴で汗をかくときには、
水分補給はもちろんミネラル補給も意識的に行いましょう。
ちなみに、汗として排せつされた有機溶剤は放っておくとまた経皮吸収されてしまうので、
かいた汗はこまめに拭きとると〇ですよ。