ダイエットやファスティングの話題にもよく登場する「ケトン体」。
ケトン体とは何?ケトン体が高いとどうなるの?健康に役立つの??などといった、ケトン体の疑問について解説します。
ケトン体とは?
ケトン体とは、脂肪の燃焼が亢進したときに肝臓で脂肪を分解して作られる物質です。
通常、私たちはブドウ糖を主なエネルギー源としています。
特に、脳の主なエネルギー源はブドウ糖ですが、脳は糖が枯渇すると肝臓で作られた「ケトン体」を積極的に使うようになります。
ちなみに、脂肪酸は血液脳関門を通過することができないので、脳は脂肪酸をエネルギー源として使うことはできません。
一方、脂肪酸よりも分子の小さい形のケトン体は脳関門を通過し、エネルギ源として使うことができます。
ケトン体は脳だけでなく、身体の各組織のエネルギー源としても使われます。(肝臓と赤血球、脂肪組織を除く)
医学的には、血中のケトン体の病的な増加は糖尿病や極度なインスリン抵抗性などによって病的に場合に多くなることから、ケトン体の増加=医学的には良くないという印象が持たれがちだったりもします。
しかし、糖質制限食やファスティングによって血中ケトン体が生理的に増えた場合は、病的なものではなく、むしろたくさんの健康効果が期待できます。
ケトン体の健康効果とは?
ケトン体は効率の良いエネルギー源となります。
通常では主要なエネルギー源となるブドウ糖ではなく、ケトン体をエネルギー源にすることで、ダイエット効果や美肌効果などがみられます。
糖質代謝が良くない人や、低血糖症によってエネルギー不足になっている人は、上手に糖を利用することができません。そこで、うまくケトン体を利用することで、エネルギーが満たされて体調の改善が期待できるのです。
また、ケトン体には、神経や心筋に対する保護作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、オートファジーの活性化(細胞の若返り)、認知症の改善、糖尿病の改善、アンチエイジングなど、健康に役立つ効果がたくさんあるということがわかっています。
ケトン体を高める方法
ケトン体は普通に生活していても微量は作られています。
ですが、ケトン体の健康効果を得たいと思う場合は、意識的に身体をケトン体モードにする必要があります。
といっても、ケトン体モードにするために急に糖質を減らしたとしても、すぐにうまくケトン体を作ることはできません。
なぜなら、ケトン体生成を促す酵素の活性をするには、日ごろからケトン体モードをonにしておく必要があるからです。
ケトン体質にするには、少食(腹八分)、糖質の過剰摂取を避ける、適度な運動、MCTオイルを摂る、定期的にファスティング(断食)といったことが有効であることがわかっています。
まとめ
◆ケトン体は脂肪を分解して肝臓で作られる物質で、脳やその他の組織でもエネルギー源となる。
◆ケトン体はダイエットや美肌効果、抗炎症、抗アレルギー、糖代謝の改善、抗老化作用、認知症の改善など、さまざまな健康効果が期待できる。
◆ケトン体を上手に利用するには、普段から糖質を摂り過ぎないことや腹八分、適度な運動なども有効。