薬に頼るだけではない、栄養療法の知識を生かした精神疾患へのアプローチ方法について解説します。
「心」って、何からできている?!
突然ですが、「心」って、何でできていると思いますか??
ここでいう「心」とは、精神論やスピリチュアル的なことはさておき、
脳の化学的な反応の結果として起こる感情や思考や気持ちなどのこととして考えてみたいと思います。
脳の中には、膨大な数の脳神経細胞があることはよく知られていますよね。
この神経細胞どうしは直接つながっているのではなく、細胞と細胞の間にはごくごく小さな隙間があります。
そこに「神経伝達物質」と呼ばれる特別な化学物質が神経細胞から放出され、次の神経細胞を刺激することで、電気信号が伝わっていくという仕組みになっています。
その反応によって、私たちの思考や感情が起こり、行動することができます。
ところが、放出される神経伝達物質の量が過剰になったり不足したりすると、信号を正しく伝えることができなくなり、脳の働きのバランスが崩れ、身体や精神状態に影響を与えることになるのです。
「神経伝達物質」と聞くと、なんだか難しそうですが…
「GABA」とか、「ドーパミン」とか、「セロトニン」etc.
といった言葉を、皆さんも聞いたことがあるかと思います。
そう、これらも、「神経伝達物質」の一種なのです。
そして、「神経伝達物質」の原料となるのは、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、その他の天然の物質。これらは言うまでもなく、私たちが食べたものから得た栄養素です。
もちろん、脳の神経細胞そのものも、栄養素から作られます。
つまり、私たちの身体はもちろん、心も栄養からできている!!ということもできるのです。
「神経伝達物質」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よかったら参考にしてください♪→神経伝達物質の働きについて
栄養素と心の関係
アミノ酸やビタミン、ミネラルは、食事で摂取する必要がありますので、食生活が乱れていると、当然栄養状態が悪くなります。
また、しっかり食べているつもりでも、栄養素を消化吸収できていなかったり、腸内細菌によってつくられる栄養素(ビタミンB群など)もありますので、腸の状態を整えておくこともとても重要だったりします。
だから、なんだか最近妙にイライラする、とか、憂鬱で眠れない、とか、そんな悩みがある方は、もしかしたら、普段の食生活や腸内環境が影響しているのかもしれません。
私が最近読んでいる、「栄養素のチカラ」という本(ウィリアムウォルシュ博士 著)には、うつ病をはじめとする精神疾患(統合失調症、自閉症、ADHD、アルツハイマー病など)のタイプ分類の方法や、副作用の少ない栄養療法について書かれていて、非常に興味深いです。
この分野の研究がさらに進み、もっと広く認知されるようになれば、精神疾患や、その薬の副作用で苦しむ人をかなり減らすことができることでしょう。
栄養療法の今後の更なる発展に期待です!!